何が起きたのか
Search Engine Roundtable は2026年10月30日(米国時間)、海外のSEO専門家 Cyrus Shepard さんが LinkedIn で公開した調査の内容を伝えました。Shepard さん自身も「小さな事例」と呼んでいるものです。
試した方法はシンプルです。Search Console の設定で、自分のサイトを「AIによる概要」と「AIモード」に出ないようにして、出ている期間と出ていない期間で、表示回数やクリック数を比べました。記事によると、報告された内容は次のとおりです。
- 除外すると、AI機能での表示回数はすぐにゼロになった
- AI機能での表示は、サイト全体の表示回数の約8%だった
- AI機能での表示のクリック率は、推定で約0.9%だった
- 除外している間は、通常の検索結果からのクリックも減った
約0.9%という数字は直接測ったものではありません。サイト全体のクリック率と表示回数から、わかっているAI機能の表示回数を差し引いて推定した値だと説明されています。
どんなサイトの担当者に関係するのか
関係するのは、「AIの答えに自社の情報が使われるなら、いっそ出さないようにしたい」と考えたことのあるサイトの担当者です。
この除外の設定は、海外だけの話ではありません。Googleの公式ヘルプによると、「検索の生成 AI 設定」は2026年8月31日から世界中のすべてのサイトに公開されていて、Search Console の「設定」から確認・変更できます。初期設定は「含める」なので、誰かが変えていなければ、サイトはAI機能に出る対象のままです。
ただ、今回の調査をそのまま自社に当てはめることはできません。Search Engine Roundtable も、次の点に注意するよう書いています。
- 1つのサイトだけの調査で、規模がとても限られている
- 実験の間も、検索結果にはAIによる概要が出ていた。比べているのは「AIによる概要があるとき・ないとき」ではなく、「その中に自分のサイトが出ているとき・いないとき」である
業種やサイトの大きさ、どんな言葉で検索されるかによっても、結果は変わると考えるのが自然です。
百祥の見方:除外は急がず、自社の数字を見てから決める
小さな会社・店舗のサイトでは、今回の調査を理由に慌てて設定を変える必要はないと考えます。一方で、「約0.9%しかクリックされないなら、AIに出ても意味がない」と決めつけるのも早いでしょう。調査の材料が少なすぎて、どちらの結論も出せないからです。
押さえておきたいのは、Googleの公式の説明と、今回の調査の違いです。Googleは、この設定はAI機能への表示だけに関わるもので、検索のほかの部分の順位や掲載の判断材料には使わないと説明しています。今回の調査で通常のクリックが減ったという話は、この説明を否定するものとは言えません。調査をした Shepard さんは、AI機能と通常の結果の両方に名前が出ることで、どこかをクリックされやすくなるのではないかという見方を示していますが、これはまだ仮説の段階です。
判断するときは、次の点も知っておくと迷いにくくなります。
- 除外しても、AIの答えがなくなるわけではありません:公式ヘルプによると、ほかのサイトの内容は引き続き使われるので、似た内容が表示されることがあります
- AIの学習を止める設定とは別です:この設定はAIの学習には影響しないと説明されています。学習についてはrobots.txt の設定についての記事で扱っています
- 検索全体から消す設定でもありません:検索に一切出したくないページには、公式ヘルプで案内されている別の設定を使います
今やっておきたい3つの確認
- 今の設定を確かめる:Search Console の「設定」から「検索の生成 AI」を開き、自社サイトが「含める」「除外する」のどちらになっているかを見ておきます。制作会社に任せている場合は、変更の予定がないかも聞いておきましょう
- 生成 AI パフォーマンス レポートを開く:自社のどのページが、AI機能でどれくらい表示されているかがわかります。ヘルプで説明されている数字は表示回数で、クリック数の説明はありません。「レポートが出ない」場合は、AI機能での表示回数が少ないことが主な理由とされています
- 大事な情報を文字で書いておく:Googleは、AI機能のために特別な対策は要らないとしたうえで、重要な内容を文字で示すことや、ビジネス プロフィールの情報を最新にすることを挙げています。料金・営業時間・対応できる内容が、画像の中だけになっていないかを確かめましょう
もし除外を試すなら、変更前の数字を控え、変更した日を記録しておくと、後から比べられます。公式ヘルプでは、変更は通常数日以内に反映され、時間がかかる内容もあるとされています。
まとめ
AIによる概要とAIモードから1つのサイトを除外した海外の調査で、AI機能での表示のクリック率は推定で約0.9%、除外中は通常のクリックも減ったと伝えられました。ただ、これは1サイトの小さな調査で、Googleの発表でもありません。小さな会社のサイトは、結論を急がず、まず今の設定と自社の表示回数を確かめるところから始めるのがおすすめです。検索の順位や表示は保証されるものではありません。Search Console の見方や、自社サイトの点検で気になる点があれば、百祥にご相談ください。
参考・公式情報
検索の仕組みは変更される場合があります。最新情報は以下のページをご確認ください。「百祥の見方」は百祥の編集上の考え方です。
